こんにちは、新津組の新津です。
パッシブハウスの施工風景を紹介していくシリーズ、やっと第3段となりました。
第1段目、概要編はこちら。
第2段目、地盤調査編はこちら。
ご興味があれば合わせてご覧ください。
基礎全体の断面図はこのようになります。
今日の記事では、このうち「砕石」の層までをレポートしていこうと思います。
地盤改良は柱状改良&表層改良
住宅の地盤改良工事は主に2種類の工法があります。
1つは、パイル=杭を地面に打ち込んで、その上に乗る基礎と家を支える柱状改良。
もう1つは、地面の表層土にセメント等の改良剤を混ぜ込んで、地盤全体の強度を増す表層改良。
今回、佐久平PH(予定)では、その両方を組み合わせたものとしました。
2種類の工法を組み合わせることはかなり珍しいです。
建築地が水田に盛土をした土地であること。建物全体が比較的大型で重量も大きくなること。
念のため設計以上の地盤強度を持たせたかった、という理由もあります。
なお、同じく水田&盛土の分譲地内に建っている他メーカーさんの建物を見ていても、
地盤改良を行わないケースは多々あるようでした。
たとえ隣接した土地であっても、それぞれの土地の状態や、上に建つ建物、
建物に要求される耐震等級などによって、必要な地耐力はまったく異なるということです。
建築それぞれでしっかりとした構造計算を行うことが重要です。
表層改良工事はセメント系改良材
まずは表層改良工事から行います。
セメント系改良材による工事は、表層改良でもポピュラーなものです。
袋に入った改良材を地面に直接広げ、バックホーで均一にかき混ぜて行きます。
今回は地面より1m下までが改良範囲。
比較的脆弱な盛土層を改良することと、
柱状改良の杭周辺の地盤を安定させて、杭自体の崩壊を防止することを目的としています。
改良土はかき混ぜ終わった直後から固まり始め、1日も経てば問題なく次の工程に移れる強度となります。
砕石パイル工法はエコジオ工法
パイル=杭は、セメント杭や鋼製杭、木製杭など
さまざまなものが使われますが、今回は砕石杭を選定しました。
天然素材である砕石を杭として使う工法は、他工法に比べてCO2排出量が抑えられ、
地中埋設物としても扱われないため将来的な土地売買時にも撤去の必要がない、
という利点があります。
砕石杭でもいくつかの工法があるなか、選んだのは「エコジオ工法」。
東日本大震災による各地の液状化現象を受けて開発された比較的新しい工法です。
弊社では(私の要望もあって)初採用となりました。
ケーシング(筒)で土を押し広げ固めつつ、内部に砕石を詰めて地盤全体の支持力を高めます。
他の砕石パイル工法を比べると、掘削した穴の崩壊を抑えつつ、安定した状態の杭を構築できるのが特長です。
佐久平PH(予定)では、長さ1.75mの砕石パイルを合計80本打っていきます。
エコジオ工法は施工スピードにも優れているため、
それだけの数の杭もなんと1日で終わらせることができました。
地盤改良工事の後は砕石敷き
杭の上に更に砕石を敷き、十分に締め固めておきます。
基礎全体の形がなんとなく見えてきましたね。
今回は建物とガレージを繋ぐ電気配線等がいくつか必要になってくるため、
後で配線を通すための空配管をこの段階で仕込んでおきました。
太陽光発電や、電気自動車との接続配線などがこの中を通ります。
ガス管や水道管などは基礎の側面を貫通するので、それは後の工程での設置となります。
今回のレポートは以上です!
次回はいよいよ基礎本体の工事へと入っていきます。
お楽しみに!
新津
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