こんにちは、新津組の新津です。
今回の施工日誌は基礎工事のうち、鉄筋工事についてお伝えします。
過去の日誌は以下のリンクよりご覧いただけます。
施工日誌①概要編
施工日誌②地盤調査編
施工日誌③地盤改良編
基礎の断面図はこちら。
基礎コンクリートの内側にある鉄筋を組んでいきます。
防湿シート~捨てコン~外周型枠建て込み
地盤改良工事の終了後は、地面からの湿気を防ぐ防湿シートを敷き込み、
基礎外周部に沿うように捨てコンクリートを薄く打設していきます。
捨てコンクリートは以後の作業の下地となるもので、建物の重さを支える役割はありません。
捨てコンの上に型枠を組み立て終わりました。
型枠高さは約1200mm=1.2メートルなので、出入りのため仮設足場を設置しています。
基礎底盤下には断熱材を全面敷き込み
型枠の内部にはボード状の断熱材「ミラフォーム」100mm厚を隙間なく敷き詰めます。
通常の基礎断熱工法では、基礎外周部立ち上がり付近にのみ断熱材を使うことが一般的。
ベタ基礎下の全面を断熱するのは、寒冷地の長野県でも珍しい事例かと思います。
構造計算(許容応力度計算)に基づいた配筋
現場に搬入された鉄筋(の一部)。一般的な住宅のざっと3倍以上の量となりました。
異形鉄筋のD16、D13、D10、3種類の太さを使います。
地震に対する強さを示す「耐震等級」では、最高等級の3には届かないものの、
等級2を簡単にクリアできる構造としています。
通常の耐震等級3住宅と比較しても、鉄筋量自体は相当多くなっています。
建物形状が不安定な「コの字」型であること。南面の窓とそこから繋がる吹き抜けが大きいこと。
そのため、通常よりもずっと頑強な鉄骨が必要となっているのです。
鉄筋の進捗率20%。
基礎梁(地中梁とも言う)を先行して組んでいきます。
この基礎梁で四角に区画分けをするように設計することが、構造上とても重要になります。
進捗率40%。
基礎底盤、耐圧盤の鉄筋が見えてきました。
住宅のベタ基礎の中には耐圧盤の鉄筋のみで構成されている事例もありますが、
本来は基礎梁が構造の主体であり、耐圧盤の配筋はそれを補助する役割ですね。
進捗率60%。
基礎梁が完成し、立ち上がり部分が組まれていきます。
耐力は基礎梁が負担しているため、立ち上がり部分の鉄筋は最小限の量となりました。
立ち上がりを減らすことで床下空間内の移動が簡単になり、将来のメンテナンスも容易になるという利点があります。
進捗率80%。
耐圧盤の鉄筋がダブル配筋となりました。
ベタ基礎ダブル配筋というだけで住宅では強めの構造となりますが、
この物件では更に頑丈な基礎梁が張り巡らされている形です。
進捗率100%。
特に基礎梁が交差する部分は、きわめて強固なつくりになっているのが分かります。
佐久平PH(予定)は木造ですが、リビングの吹き抜けを支えるため鉄骨を併用します。
その鉄骨のベースとなる部分の鉄筋です。
上から見ると、鉄筋の密度がよく分かっていただけるかと思います。
次回はコンクリート打設!
鉄筋工事の様子は以上のようになります。
木造2階建住宅の鉄筋量としては、おそらく国内最大級と言えるのではないでしょうか。
(経験の長い弊社の建築系スタッフも皆驚いていました…)
パッシブハウスと関係するのは底盤下の断熱材くらいですが、
建築構造的には鉄骨工事はとても大切な工程です。
次回はコンクリート打設工事。
そしてその次の回から、いよいよパッシブハウス特有の断熱工事が開始となります!
新津
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