パッシブハウス施工日誌⑤ ~基礎・コンクリート工事編~

こんにちは!新津組の新津です。
前回より間が空いてしまいすみません。
今回は基礎工事の続き。コンクリート工事についてです。

過去の日誌は以下のリンクよりご覧いただけます。
施工日誌①概要編
施工日誌②地盤調査編
施工日誌③地盤改良編
施工日誌④鉄筋工事編

基礎の断面図はこちら。
鉄筋を覆うかたちで、コンクリートを打設(=型枠の中にコンクリートを流し込むこと)していきます。

底盤部分の打設

2022年9月13日に、最初のコンクリートを施工しました。
基礎形状はベタ基礎。建物全体を「面」で支えるような仕組みです。
上の写真、鉄筋の下にはわずかに断熱材(ミラフォーム)が見えますね。
基礎の底が断熱材によって完全にカバーされる形になっています。

基礎立上り型枠の立て込みと下準備

底盤の打設が終了した状態です。
打設翌日にはコンクリートが硬化し、人が乗っても問題ない状態になります。
この後に基礎立上り部の型枠を施工していきますが、
その前にいくつかの下準備を行っていきます。

下準備のひとつ。基礎底盤と立上りの間に止水材を施工しました。
黒いゴムのように見えているもの。これが止水材「クニシール」です。

高さのあるコンクリート構造物は何段階にも分けてコンクリート打設を行うのが一般的で、
コンクリートの間は「打ち継ぎ」と呼ばれます。
ダムや橋脚などの土木構造物と比べ、住宅規模のコンクリートは幅が狭く、
この打ち継ぎ部分が十分に密着されていないことが、ごく稀にあります。

打ち継ぎの隙間から地下水や雨水が侵入することを防ぐのが止水板や止水材。
クニシールは従来のゴム製止水板と比べ、施工のしやすさや防水性能、
耐久性能等が大幅にアップした製品です。

他の下準備として、基礎立上り部を貫通する設備配管を通すためのスリーブを
基礎鉄筋の間に取り付けていきます。

立上り部コンクリート打設

底盤打設より8日後の9月21日に、立上り部を打設しました。
写真にはアンカーボルトとホールダウンアンカーが見えています。
短い方がアンカーボルト、長い方がホールダウンアンカーです。
基礎と土台、土台と柱を繋ぐためのとても重要な部材で、総数は247本もあります。

アンカーの設置場所は型枠立て込み時点で何度もチェック中ですが、
コンクリート打設直後であれば場所の微調整が可能なので、
打設と並行してアンカーチェックを行います。

型枠脱型

立上り打設から7日後、9月28日には型枠が外され(脱型)、
基礎全体の姿が見えるようになりました。

これでコンクリート工事は終了!
ちなみに、この現場では合計で約55㎥のコンクリートを使用しました。
規模がやや大きいこともあるので、使用量は一般的な住宅の2倍弱でしょうか。

次回は基礎の断熱工事。
パッシブハウスならではの様子をお伝えできると思います。
お楽しみに!

新津

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