こんにちは!
新津組代表の新津です。
パッシブハウス工事の過程を紹介していく施工日誌の14シリーズ目。
今回は外壁や雨樋などの外回り、いわゆる外装工事についてレポートします。
とは言え、既に断熱・気密工事は終了済み。
今回はパッシブハウス特有の工事はほとんどありません。
写真中心の軽い記事とさせていただきます!
過去の施工日誌は以下のリンクよりご覧いただけます。
施工日誌01 概要編
施工日誌02 地盤調査編
施工日誌03 地盤改良編
施工日誌04 鉄筋工事編
施工日誌05 基礎・コンクリート工事編
施工日誌06 基礎断熱・発泡ガラスボード編
施工日誌07 土台敷き・基礎内断熱編
施工日誌08 建方(建前)編
施工日誌09 充填断熱編
施工日誌10 付加断熱編
施工日誌11 屋根工事編
施工日誌12 窓工事編
施工日誌13 気密測定編
外壁工事
外壁は“モエン大壁工法”を選択。
耐久性と防火性に優れ、仕上げ材に塗り壁が使えるため、意匠性にも優れる工法です。
壁の裏側には通気層を設けてあり、流れる空気が躯体の乾燥を保つように機能しています。
外壁仕上げは“ジョリパット”。
フランス発祥の塗り壁材で、豊富なカラーや模様で様々な表情を見せることができます。
弊社の寒冷地物件でも施工事例が多く、長期間経っての不具合もほとんど見られません。
実績ベースでの安心感を踏まえての採用となりました。
まずは機械を使って外壁全体に均一に吹き付けを行います。
ハンディタイプの高圧洗浄機のような“吹付けガン”を使っての作業です。
吹付け後はローラーで模様を付けていきます。
手作業ならではの絶妙な凹凸の変化が、塗り壁独自の魅力ですね。
外壁工事が完了しました!
黒に近いグレー色で重厚で迫力のある印象に仕上がりました。
足場が残っているうちに、雨樋の取り付けを行っていきます。
雨樋工事
雨樋は家に降った雨の流れをコントロールする役割を持っています。
軒裏や外壁、基礎や犬走り(家の周囲の地面)に水を当てないことで、家全体の耐久性を保つことができます。
周囲に森が多い環境では、落葉による詰まりや凍結のリスクがあるため、雨樋は付けないことが一般的。
ですが、雨樋の有る無しで建物の痛みは変わってきますので、可能であれば付けておきたいところです。
雨樋は屋根をぐるりと取り囲むので、その材質や形状によって建物全体の印象は大きく変わります。
今回はタニタハウジングウェアさんのガルバリウム製デザイン雨樋を採用しました。
建物の特長となる大きな中庭。
その場所の縦樋(竪樋)には、ensui鎖樋(エンスイ くさりどい)を取り付けています。
独特な形状ですが、雨量が多くても周囲に飛び散るようなことはなく、しっかりと水を導いてくれます。
横樋(軒樋)はシンプル形状のHACOシリーズ。
屋根材や破風板金と色を合わせているので、雨樋も目立たず外観に馴染んでいます。
中庭以外の場所は、ごく一般的な丸形の縦樋です。
東側から見上げた様子。
軒天・外壁・板金・雨樋、各種部材が上手く調和していますね!
日光による陰影が、塗り壁でより美しく映るようになりました。
2階部分に見えているのは太陽光発電ケーブルの取り込み口です。
南側ファサードから見えづらく、かつ、軒下で雨掛かりの少ない場所を選んでいます。
雨水排水工事
雨樋から流れた雨水は、雨水配管を通して敷地内で浸透処理を行います。
縦樋は地下に飲み込ませて雨水枡と接続。
各所の雨水枡を配管で繋ぎ、勾配を付けて、雨水を建物から遠ざけつつ地下に染み込むように誘導するのです。
中庭の鎖樋は意匠面を考え、コンクリート製の雨水枡に繋ぐようにしました。
樋と枡の接続部分を自然石で隠して、庭のしつらえの一部としてデザインする予定です。
足場の解体
ついに外部足場が解体されました!
建方時の足場設置から撤去まで、なんと8ヶ月。
社長自宅よりお客さまの現場を優先した結果ではありますが、やはり長かったです…!
中庭から見上げた様子。
ここから見ると窓面積が大きいですね。
高断熱の木製サッシを使っているため、外皮性能UA値は0.21。
高性能と開放感を両立させています。
完成に向けて
ガレージの屋根から。
建物本体の外観はこれでほぼ完成です。
ここからは、ウッドデッキやタイルデッキ、ガレージ、外構、植栽、フェンスなどを施工していきます。
それら工事によって、この建物がよりいっそう引き立つことでしょう。
いよいよ完成が見えてきました!
施工日誌シリーズも残り少しです。
どうか最後までお付き合いください!
新津
パッシブハウスの建築状況をTwitterとInstagramで公開しています!
Tweets by satoru_niitsu